おかしかったら言ってね—-そう言える母は「強くてやさしい」この親子と出会って、もう20年
この親子と出会って、もう20年になります。
最初に出会ったとき、彼女はまだ独身の若い女性でした。
整体に通ってくださっていた彼女は、身体だけじゃなく、
心の奥にある“がんばりすぎ”も、そっと吐き出してくれていました。
やがて妊娠・出産を経て、今では――
「学校に行きたくない」とつぶやく息子さんを見守る、やさしいお母さん。
その親子の歩みを、私はずっとそばで見てきました。
「もしかしたら、他の子より少し発達がゆっくりかもしれない」
「体の使い方に、独特のリズムがあるような気がする」
実はお母さん自身も、同じように感じ取っていたのです。
そして、彼女は療育に通う決断をしました。
けれど、そこで待っていたのは、思いもよらない言葉でした。
「ここは、子どもを“変える”場所ではありません
親が“子どもの特性を理解し、寄り添う方法”を学ぶ場所です」
つまり、発達の“特性”を正しく理解し、
関わり方を整えていくことが大切だということ。
決して“誰かのせい”ではなく、
「この子が、この子らしく育っていくために、親にできることは何か?」
を考える場所なのです。
でもね。
私もこれまでに、たくさんの親御さんを見てきました。
そう言われたとき、多くの親が最初に口にするのは…
「うちの子は“問題がある”わけじゃありません。
その子らしさがあるだけです!」
「先生がちゃんと見てくれなだけです!」
――違うんです。
「その子らしさ」って言葉の裏に、
“本当は困っていること”が隠れてしまうことがある。
それに気づけなかったら、
子どもが大きくなったときに「生きづらさ」として出てくる。
そしてそのときには、もう手遅れになっていることもあるのです。
でも、彼女は違いました。
私が正直に伝えたとき、こう言ったんです。
「おかしかったら、遠慮なく言ってね」
その一言に、私は深く感動しました。
今の時代は特に、何かを伝えようとすると
「そんなことありません」
「うちはこの子の個性です!」
と、跳ね返されることも少なくありません。
きっとそれだけ、ママたちはプレッシャーや不安を
たくさん抱えているのでしょう。
でも彼女は、**“耳を傾ける力”**をちゃんと持っていた。
子どもの「今」をしっかり受け止めて、
「未来」を一緒に考えようとするその姿。
それは、私が出会ってきた中でも、
とても強くて、やさしいお母さんの姿でした。
「親じゃない誰かとつながること」が、子どもにとってどう意味を持つのか
その大切さについて、お伝えします。
\アクションリクエスト/
・あなたは最近、お孫さんやお子さんの“本音”をちゃんと受け取れていますか?
・誰かの育児に対して「それは違う」と思ったとき、
その奥にある“不安”や“孤独”を想像してみたことはありますか?
今、大人にできることは、口を出すことではなく、心を寄せることかもしれません。