早く決めないといけない。
もう迷っている時間はない。
そんなときほど、
私たちはAIにこう聞きたくなります。
「どれが正解ですか?」
「一番いいのはどれですか?」
「結論を教えてください」
早く正解を知りたいのは、
人間として当然の心理です。
迷っている時間は不安ですし、
間違えたくないという気持ちもあります。
けれど、そのままAIに投げると、
返ってくるのは「一般的な正解」です。
それは多くの人にとって妥当な答えであって、
必ずしも「あなたの知りたい正解」ではありません。
AIは、
多くの人にとって無難な答えを出すのが得意です。
たとえば転職について聞けば、
安定性。
リスク分散。
準備期間。
市場価値。
どれも正しい。
どれも間違っていない。
でもその中に、
「あなたが今、一番怖がっていること」は
含まれていないかもしれません。
AIは、
あなたの立場も、
優先順位も、
まだ言葉になっていない迷いも、
すべてを知っているわけではないからです。
もちろん、
条件を細かく入れていけば、
答えはあなたの状況に近づいていきます。
年齢、環境、目標、制約。
前提を増やすほど、
出力は精密になります。
けれどもそこに、
もうひとつの落とし穴があります。
条件を増やすほど、
答えは精密になる。

でもその分、
思考は外に委ねられていきます。
気づかないうちに、
「どう考えるか」ではなく、
「どう出力されるか」を待つ状態になる。
それは効率的かもしれません。
けれど、深くはありません。
正解を聞くと、安心します。
迷わなくていい。
責任が軽くなる。
考えなくていい。
そして、
思考はそこで終わります。

AIが出してくれた答えに、
どこかで寄りかかってしまう。
正解を外に置くと、
失敗しても「選んだのはAI」と言えてしまう。
でも、
納得は残らない。
だから私は、
聞き方を変えるようになりました。
×「どれが一番いいですか?」
○「それぞれの選択肢のメリットと懸念点を整理してください」
×「正解は何ですか?」
○「判断する前に考えるべき視点を挙げてください」
これは、
答えをもらうのではなく、
思考の材料をもらう聞き方です。
AIに“決めてもらう”のではなく、
一緒に“整理する”。
この違いは、
小さいようでとても大きい。
AIがくれるのは、
整理された可能性。
でも、
選ぶのは人間です。
もし最近、
AIの答えにどこか納得しきれない感覚があるなら、
それはあなたが、
本当は自分で考えたい人だからかもしれません。
正解を聞くと、思考は終わる。
視点を聞くと、思考は続く。
AIを使いながら、
「考えた気になっているだけかも」
「答えをもらって、終わらせているかも」
そんな感覚がある方へ。
公式LINEでは、
正解を急がない問いの作り方や、
軸を保ったまま整理する視点を、
ときどき静かに共有しています。
学ぶ場所というより、
思考を続ける場所として、
使ってもらえたら嬉しいです。
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