何度打ち直しても、
うまく聞けない。
言葉が短くなる。
説明を書く気力がない。
とりあえず送る。
そして、返ってきた答えに、また少し違和感を持つ。
AIにうまく聞けない日があります。
第1回では、
AIがズレているように見えるとき、
そこに映っているのは人間の思考そのものだ、という話をしました。
第2回では、
曖昧な問いほど、AIは安全な一般論を返す、という構造を見ました。
今回は、そのさらに手前の話です。
そもそも、なぜ問いは曖昧になるのか。
問いが雑になるとき、
私たちはつい、こう考えがちです。
ちゃんと考えられていないからだ。
自分の思考が浅いからだ。
でも、多くの場合、
原因はそこではありません。
問題は、思考ではなく
状態です。
たとえば、仕事終わりの夜。
やっと座って、画面を開く。
でも、もう頭が回らない。
本当は背景も書いたほうがいいとわかっている。
前提も整理したほうがいいと知っている。
でも、余力がない。
そのときの問いは、
輪郭のないまま、外に出ます。
「どう思いますか?」
「アドバイスください」
「いい案ありますか?」
これは怠慢ではありません。
単に、
エネルギーが足りていない状態です。
人に相談するときなら、
「今日は疲れてるんだね」
「無理しなくていいよ」
そんな言葉が返ってくることがあります。
でもAIは、
こちらの状態を慮りません。
疲れていても。
焦っていても。
不安で頭がいっぱいでも。
投げられた問いを、
そのまま処理する。
だから、
疲れた状態で投げた問い
→ 情報の少ない問い
→ 薄い答え
という流れが生まれる。
AIが冷たいのではなく、
状態が、そのまま反映されているだけです。
ここで、ひとつ大切なことがあります。
うまく聞けない日は、
あって当たり前だということ。
毎日、思考が冴えているわけではありません。
余裕がある日もあれば、
ただ一日を終えるだけで精一杯の日もある。
それなのに、
今日は質問が下手だった。
また雑に聞いてしまった。
そうやって、自分を評価してしまう。
でも実際は、
思考の問題ではなく、
余裕の問題かもしれません。
問いが雑だと感じた日、
無理に「良い質問」を作らなくて大丈夫です。
代わりに、
状態をそのまま書いてみてください。
正直に言うと、今日はあまり考えがまとまっていません。
結論は出さなくていいので、
考えるための論点だけ整理してください。
これは、
問いを完璧にする方法ではありません。
状態を、先に共有する方法です。
AIは感情を理解しませんが、
文章として書かれた情報は、
きちんと扱います。
問いが丁寧な日は、
あなたの能力が高い日ではありません。
ただ、
少し余裕がある日。
問いが雑な日は、
能力が落ちているのではありません。
疲れている。
焦っている。
余白がない。
それだけです。
質問がうまくできない日があっても、
あなたの思考が劣っているわけではありません。
問いが雑になるのは、
思考が浅いからではなく、
余裕がないから。
この記事を読んで、
「最近、余裕がなかったかもしれない」
「問いが雑なのは、疲れているだけかも」
そんなふうに感じた方へ。
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